未成熟な市場だからこそ、
新人の意見を大事にしたい

佐野 宏英

執行役員 データビジネス事業部 事業部長

2013年に株式会社AppVador(後にSupershipに合併)を設立。2015年にKDDIグループへの事業売却後、広告配信プラットフォーム事業責任者を経て、現在はDMP開発の推進を担当する彼に、起業から売却までの経験や、新卒社員に求めることを聞いた。

起業から売却までの2年間。

Supershipは、様々なテクノロジー企業が合併してできた会社ですが、僕はそのうちの一社の創業社長でした。AppVadorという動画広告配信サービスの会社です。IT系のベンチャー創業者というと、大きなビジョンや野心があるように思われがちですが、僕の場合はあまりそういったものはありませんでした。当時、フリーランスのエンジニアとして活動していたのですが、オフィスもないし、同僚もいないので、人とのつながりが全然ありませんでした。一番顔を合わせる人がカフェの店員さんという状況で、一人で居続けるとダメになってしまう、仲間がほしい、と思ったのが、起業のきっかけです。

動画広告という領域を選んだのも、思想や目標ありきではなく、エンジニアとしてのアドテクへの興味と、事業を立ち上げるイメージが付きやすかったからです。当時、アメリカでは日本より一足先に動画広告が盛り上がりはじめており、国内には競合が少ない状況でした。最初は導入企業がなかなか増えない時期もありましたが、あるとき大手代理店と協業を開始できたことをきっかけに、一気に導入企業も増えていきました。タイミングも運も良かったのだと思います。結果的に、丸2年という期間でKDDIグループから事業を買い取りたいと申し出がある規模まで成長させることが出来ました。M&Aや買収というと、ネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、僕らにとってはとても嬉しい話でした。自分たちで作ったプロダクトの価値が世の中に認められたということですし、資金力のあるグループ傘下に入ることでサービスの成長速度もより上げられるので、声がかかったときにはぜひぜひ!と応じました。

勝ちプレイヤーが
決まっていないから、
おもしろい。

その後AppVadorは合併し私はSupershipの一員となり、今は執行役員と兼任してデータビジネス事業部の事業部長を任されています。「Fortuna」というDMP(データマネジメントプラットフォーム)をはじめとしたデータを取り扱うプロダクト群の開発・運営と、それらを活用するコンサルティング事業の責任者です。データ活用は、我々サービス提供者側も、顧客様側も、まだまだ取り組みを始めて日が浅い、ビジネスとしては未成熟な市場です。社内の誰にもノウハウがない、全く新しい提案をする機会も多くあります。僕自身、自分で提案書をつくり、自ら提案に行く機会も多くあります。

未成熟ということは、市場のなかでの勝ちプレイヤーが決まっていないということでもあります。市場全体の規模がどんどん拡大しているなかで、各社の存在感はまだまだ流動的で混沌としています。データ活用を適用できる領域は多岐に渡るため、会社としてどこかの領域でトッププレイヤーになれる可能性がありますし、一社員としても業界の第一人者になれるチャンスがあります。この状況は、まだしばらく続くのではないかと考えているので、向こう10年間はチャレンジし続けられるエキサイティングな領域と言えるのではないでしょうか。

新卒目線で言えば、セオリーのない中、自分で工夫して1つ1つの仕事について様々なやり方を試さなければならない難しさがあります。上司や先輩が間違っているケースも大いに有り得るため、誰に対しても意見を言いやすい、風通しの良い環境をつくらないと事業としての成長が阻害されると思っています。新卒でも意見が言えるように、どう心理的な安全性を担保するかは常に考えていますね。 

多様なカルチャーが混在する社内で、
新卒はハブ役になってほしい。

新卒としてのキャリアをこの会社ではじめる魅力は2点あると思っています。1つは、ベンチャーと大企業、対比して語られることの多い両極の環境を体験できることです。社内の意思決定はベンチャー的なプロセスが主です。各部署の人数もそこまで多くないので指示系統はシンプルですし、事業の性質上スピーディーな判断が求められるので日常的な決裁は早いと思います。一方で、事業運営上の大きな判断や、全社に影響がおよぶような判断は、親会社であるKDDIのフローを参考にしながら慎重に進めます。その両方を1つの会社、それも社会人をスタートする会社で経験できるのは、その後のキャリアにとってきっと役立つはずです。

もう1つは、いろいろなキャリアの人財がいること。例えば、会社経営をしていた人は僕以外にもたくさんいますし、日系・外資それぞれの大手企業出身者もいます。メディアや広告代理店に勤めていた人も。ビジネスサイドの人間もいれば、エンジニアやデザイナーなどのスペシャリストもいる。いろんなバックグラウンドの人がいて、違うスキルやノウハウ、ビジネス観を持っているので、視野が広がるのではないでしょうか? 一方で新卒社員にはSupershipらしさ、会社のカルチャーをつくるハブ役になってくれることを期待しています。多様性があるのはおもしろい一方で、ともすればお互いに無関心になったり、反発しあったりしてしまいがちです。色が着いていない新人との交流を通じて、中途社員同士も含めた会社全体の人間関係が活性化されるといいですね。

佐野 宏英

執行役員 データビジネス事業部 事業部長

高校卒業後、独学でプログラミングを学びエンジニアに。2013年にアップベイダー株式会社を設立した後、2015年にKDDIグループへ事業売却。Supershipとの合併を経て、現在は執行役員としてデータビジネス事業部を率いる。

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